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法華院 EXPRESS vol.009
2002/7/27 発行
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今回はミヤマキリシマ(深山霧島)に関する一考察です。

この木は、つつじ科の低木で、丈は1〜2メートル。好日性で、枝先には 直径2・3センチの濃い紅色の花を密生してつけます。大船の段原などは 特別天然記念物に指定されています。昭和40年代は、10万本に1本の割合で 白いミヤマキリシマがありましたが、盗掘により現在はほとんど見る事が できません。その頃は、立中山から平治岳にかけて中腹ぐらいから上が ベルト状に赤くなっていましたが、地球の温暖化等により、他の雑木が 大きくなった為、日が差し込まなくなった中腹は、株数が減り、現在では、 山頂部を中心に、段原や大戸越の斜面、又、高い木のない所で群生しています。
樹齢600年ぐらいの木もあると言われおり、非常に強い木で、人が上に 乗っても大丈夫な程です。水はけの良い所を好み、下界に持っておりても つきが悪く、ほとんど枯らしてしまうか、花が大きくなりつつじとかわら
なくなってしまい、可憐さがなくなります。 2000年、2001年と尺取虫が大量に発生して、群生地は多大な被害を受けました。

さて、近年では、1995年(平成7年)が狂い咲きの年でした。この年は、 5月の20日ぐらいから6月の20日までのほぼ1ヶ月間にわたって綺麗に 咲いておりました。山頂付近では、6月末になっても結構咲いておりました。 この年の咲き具合を知っていると、他の年は皆、裏年に思える程です。 法華院の先代もこれだけ咲いた記憶はなく、正に、50年とか100年に一回と いわれる年でした。

では、何故このような年が起こるのでしょうか?
一つは、1994年の猛暑です。山荘付近でも、土や草が焼けるような匂いの する夏を経験した木は、翌年、種を保存する自乗作用により、花をつけた らしいのです。また、平成3・4年頃から続く台風や嵐により、尺取虫の 個体数が減って、卵を産み付ける量が減った事。尺取虫は5月の20日頃、 卵からかえります。成虫の蛾になる頃に台風が来ると、その個体数は当然 減ります。ここ2年の尺取虫による被害はその裏返しなのです。台風の 被害がない年が続き、冬は温暖化で過ごしやすくなり、段原や大戸越の ような自然界では異常な程の餌場ができた事。硫黄山の噴火以降、天敵で ある鳥が減った事。平成12・13年に2年連続で尺取虫が大量発生するサイ クルがある事等々、複合要素がかさなっての虫の被害の様でした。
今年も 虫の発生は確認されましたが、その後の天気により、6月に入ってからは、 被害の報告をあまり聞きません。また、今年の三俣の東側の岸壁などは、 平成7年に匹敵するほどの咲き具合でした。人が行けない斜面です。
人がいけない所には、虫を連れて行けません。どうやら、虫は発生する ものなのですが、人がその被害を広げている様なのです。

どうですか、生き物ですから、その年によって咲き方は、色々です。
3月頃から、何日頃が花のピークになるかを予想することは不可能です。 それでも、聞かれましたら自分の経験を元に、予想をします。もし、 言った日に来て花が咲いてなくても、又咲きが悪くても怒らないで下さい。 そして、ある分を楽しんでいって下さい。
大自然の前では人は無力に等しいのですから。

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